人材採用は、通常、募集⇒応募⇒履歴書の精査⇒入社試験・面接⇒採用の決定⇒試用期間という流れで行われます。
人事上のトラブルを回避するには、まずは履歴書を精査することが重要ですが、履歴書の何を精査すべきなのかをご理解している企業は意外に少ないのも事実です。また、面接でも、企業内部でじっくり検討することなく面接時の質問事項を決め、その質問事項に対する回答を面接する側がバラバラに評価する、といったことも起こっています。その結果、採用のミスマッチ、あるいは能力不足の社員の採用といった問題を抱えることになってしまいます。
さらに、多くの企業では、「試用期間」を誤解しているばかりでなく(試用期間中であれば、いつでも解雇(本採用拒否)できる、という誤解)、この期間を十分に活かしきれていない場合もあります。
人の採用は、雇用契約のスタートですので、その企業が必要とする人材を獲得するためには、まず、人の採用を適切かつ合理的に行う必要があります。
ケーススタディ
ある会社では、新卒採用はしておらず、即戦力となる人材を獲得するために中途採用だけをしていました。しかし、ある程度のキャリアをもった人材を採用するものの、定着率が低く、半年や1年で辞めてしまう方が多い、という悩みをお持ちでした。
この会社の人事担当者にお話を聴いたところ、履歴書を精査することもなく、面接時での質問も場当たり的に決めていました。そこで、人事担当者に履歴書の記載事項のどこに着目し、履歴書に記載されたことに関連して面接時にどのような質問をするのか、また、どのような人材の獲得を希望しているのかを検討していただいた上で、応募者の中から希望に合致する人材を見つけるための質問事項を検討し、面接時に質問していただくことになりました。
その結果、以前まで頻発していた「人材採用のミスマッチ」を減らすことがで き、定着率も目に見えて上昇しました。